PhantomReference
お正月休みも今日で終わってしまいます。
何処にも出かけず家でごろごろしていました。(^_^;)
居場所に困るのでこうやってパソコンでプログラムを組んで時間を無駄に使ってます。
今日は PhantomReference を試してみます。
その前に前回、前々回と PhantomReference の兄弟の SoftReference と WeakReference の御浚いをしておきましょう。
SoftReference はリファレントがソフト到達可能となっても使用頻度とヒープの状況から、ガーベージ・コレクタがリファレントを解放すべきだと判断するまで GC 対象にならない。
Weak Reference はリファレントが弱到達可能となったら GC 対象となる。
言葉での説明より簡単なプログラムと組んで実行してみたほうが理解しやすいです。
では、非常に解りやすいプログラムを組んでみました。
プログラムの中にいる”ぼく”はあなたの場合、SoftReference タイプでしょうか?
それとも Weak Reference タイプでしょうか?
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 |
package jp.yucchi.softlovereference; import java.lang.ref.Reference; import java.lang.ref.SoftReference; /** * * @author Yucchi */ public class SoftLoveReference { public static void main(String[] args) { var softLoveReference = new SoftLoveReference(); // suzu をソフト到達可能オブジェクトにする。(boku から suzu の強参照を削除) softLoveReference.boku.suzu = null; System.out.println("--- 僕からすずへの愛を無くした。 ---"); // ソフト到達可能となった suzu はすぐにガーベジ・コレクト対象とならずに // ヒープの空き容量が不足したときに回収対象となる。 System.gc(); // リファレントを取得 var love = softLoveReference.boku.yui.suzu; if (love.get() != null) { // ソフト到達可能オブジェクト suzu はまだ消えていない。 love.get().isLove(); // リファレントをクリアする。 love.clear(); if (love.get() == null) { // ソフト到達可能オブジェクト suzu は消えている。 System.out.println("ガッキー、今までごめんね。僕のすずへの愛は完全に消えた。" + System.lineSeparator() + "これからはガッキーお前だけを愛する!"); } } else { // ソフト到達可能オブジェクトが消えている。 System.out.println("僕のすずへの愛は完全に消えた。"); } } Boku boku; public SoftLoveReference() { boku = new Boku(); boku.yui = new Yui(); boku.suzu = new Suzu(); // yui から suzu はソフト参照 boku.yui.suzu = new SoftReference<>(boku.suzu); } private static class Boku { Boku() { System.out.println("僕は二人の素敵な女性を愛してしまった。"); } Yui yui; Suzu suzu; } private static class Yui { Yui() { System.out.println("僕はガッキーを愛してる。"); } // 参照型フィールド Reference<Suzu> suzu = null; } private static class Suzu { Suzu() { System.out.println("僕はすずを愛してる。"); } void isLove() { System.out.println("ごめんね。ガッキー・・・ 僕のすずへの愛はまだ完全に消えていない。"); } } } |
このプログラムの実行結果はつぎのようになります。
僕は二人の素敵な女性を愛してしまった。
僕はガッキーを愛してる。
僕はすずを愛してる。
— 僕からすずへの愛を無くした。 —
ごめんね。ガッキー・・・ 僕のすずへの愛はまだ完全に消えていない。
ガッキー、今までごめんね。僕のすずへの愛は完全に消えた。
これからはガッキーお前だけを愛する!
次は Weak Reference を使ったプログラムです。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 |
package jp.yucchi.weaklovereference; import java.lang.ref.Reference; import java.lang.ref.WeakReference; /** * * @author Yucchi */ public class WeakLoveReference { public static void main(String[] args) { var weakLoveReference = new WeakLoveReference(); // suzu を弱到達可能オブジェクトにする。(boku から suzu の強参照を削除) weakLoveReference.boku.suzu = null; System.out.println("--- 僕からすずへの愛を無くした。 ---"); // 弱到達可能となった suzu はガーベジ・コレクトの回収体制となる。 System.gc(); // リファレントを取得 var love = weakLoveReference.boku.yui.suzu; // 弱到達可能オブジェクト suzu は消えている。 if (love.get() != null) { // true の部分は実行されることはない。 love.get().isLove(); love.clear(); if (love.get() == null) { System.out.println("ガッキー、今までごめんね。僕のすずへの愛は完全に消えた。" + System.lineSeparator() + "これからはガッキーお前だけを愛する!"); } } else { // 弱到達可能オブジェクトが消えている。 System.out.println("僕のすずへの愛は完全に消えた。 ガッキー、愛してる!"); } } Boku boku; public WeakLoveReference() { boku = new Boku(); boku.yui = new Yui(); boku.suzu = new Suzu(); // yui から suzu 弱参照 boku.yui.suzu = new WeakReference<>(boku.suzu); } private static class Boku { Boku() { System.out.println("僕は二人の素敵な女性を愛してしまった。"); } Yui yui; Suzu suzu; } private static class Yui { Yui() { System.out.println("僕はガッキーを愛してる。"); } // 参照型フィールド Reference<Suzu> suzu = null; } private static class Suzu { Suzu() { System.out.println("僕はすずを愛してる。"); } void isLove() { System.out.println("ごめんね。ガッキー・・・ 僕のすずへの愛はまだ完全に消えていない。"); } } } |
このプログラムの実行結果はつぎのようになります。
僕は二人の素敵な女性を愛してしまった。
僕はガッキーを愛してる。
僕はすずを愛してる。
— 僕からすずへの愛を無くした。 —
僕のすずへの愛は完全に消えた。 ガッキー、愛してる!
プログラムの詳細はコメントと前回、前々回のエントリーを参照してくださいませ。
さて、あなたはどちらのタイプでしたでしょう?
それでは PhantomReference を試してみましょう!
PhantomReference を使うには モジュール java.base の java.lang.Object java.lang.ref.ReferenceQueue<T> クラスが必要となります。
そういえば、モジュール java.base の java.lang.Object java.lang.ref.Reference<T> のことも忘れていたのでこれらを先にざっくりと調べます。
参照オブジェクトための抽象基底クラスである Reference<T> クラスから調べます。
クラスReference<T>
このクラスは、すべての参照オブジェクトに対して共通のオペレーションを定義します。
参照オブジェクトはガベージ・コレクタと密接に連携して実装されるので、このクラスを直接サブクラス化することはできません。
メソッドは6個あります。
public void clear()
この参照オブジェクトをクリアします。 このメソッドを呼び出しても、このオブジェクトはキューに入りません。
このメソッドはJavaコードによってのみ呼び出されます。ガベージ・コレクタが参照をクリアするときは、このメソッドを呼び出さずに直接行います。
protected Object clone()throws CloneNotSupportedException
常時 CloneNotSupportedExceptionをスローします。 Referenceは、効果的にクローニングできません。 かわりに新規のReferenceを構築します。
public boolean enqueue()
この参照オブジェクトをクリアし、それが登録されているキューに登録オブジェクトを追加します。
このメソッドはJavaコードによってのみ呼び出されます。ガベージ・コレクタが参照をキューに入れるときは、このメソッドを呼び出さずに直接行います。
戻り値:この参照オブジェクトがキューに入れられた場合はtrue。すでにキューに入れられているか、作成時にキューに登録されなかった場合はfalse
public T get()
参照オブジェクトのリファレントを返します。 プログラムまたはガベージ・コレクタによって、この参照オブジェクトがすでにクリアされている場合、このメソッドはnullを返します。
戻り値:この参照が表すオブジェクト。この参照オブジェクトがクリアされている場合はnull
public boolean isEnqueued()
この参照オブジェクトが、プログラムまたはガベージ・コレクタによってキューに入れられているかどうかを判定します。
この参照オブジェクトが生成されたときにキューに登録されていない場合、このメソッドは常にfalseを返します。
戻り値:この参照オブジェクトがキューに入れられている場合にだけtrue
public static void reachabilityFence(Object ref)
指定された参照によって参照されるオブジェクトが、オブジェクトが到達不能になる可能性のあるプログラムの以前のアクションに関係なく、「強く到達可能な」のままであることを保証します。
このため、参照されたオブジェクトは、少なくともこのメソッドが呼び出されるまでガベージ・コレクションによって再要求できません。
次はモジュール java.base の java.lang.Object java.lang.ref.ReferenceQueue<T> を調べてみます。
クラスReferenceQueue<T>
参照キューです。到達可能性が適切に変更されたことが検出されると、登録されている参照オブジェクトはガベージ・コレクタによって参照キューに追加されます。
コンストラクタは引数の無いものが一つだけあります。
public ReferenceQueue()
新しい参照オブジェクト・キューを構築します。
メソッドは3個あります。
public Reference<? extends T> poll()
このキューをポーリングして、参照オブジェクトが利用可能かどうかを確認します。
参照オブジェクトが遅延なしで利用可能な場合、それがキューから削除されて、返されます。 それ以外の場合、このメソッドは即座にnullを返します。
戻り値:利用可能な参照オブジェクトがあった場合はその参照オブジェクト、そうでない場合はnull
public Reference<? extends T> remove()throws InterruptedException
このキューの次の参照オブジェクトを削除します。参照オブジェクトが利用可能になるまでブロックされます。
戻り値:参照オブジェクト。1つが利用可能になるまでブロックを行う
例外:InterruptedException – 待機中に割り込まれた場合
public Reference<? extends T> remove(long timeout)throws IllegalArgumentException, InterruptedException
このキューの次の参照オブジェクトを削除します。参照オブジェクトが利用可能になるか、指定されたタイム・アウトの期限が切れるまでブロックします。
このメソッドはリアルタイム保証を行いません。Object.wait(long)メソッドを呼び出した場合と同様にタイム・アウトのスケジュールを作成します。
パラメータ:timeout – 値が正の場合、このキューに参照が追加されるのを待つ間、timeoutミリ秒の間ブロックされる。 0の場合、無期限にブロックされる。
戻り値:指定されたタイム・アウト期間に利用可能になった場合は参照オブジェクト、そうでない場合はnull
例外:IllegalArgumentException – timeout引数の値が負の場合
InterruptedException – タイム・アウト待機中に割り込まれた場合
それでは次はモジュール java.base の java.lang.Object java.lang.ref.Reference<T> java.lang.ref.PhantomReference<T> クラスを調べます。
クラスPhantomReference<T>
ファントム参照オブジェクトです。ファントム参照オブジェクトがキューに入れられるのは、キューに入れておかないとそれらのリファレントが再生される可能性があるとコレクタが判断したときです。
幻の参照は、死後のクリーンアップ・アクションをスケジュールするために最も頻繁に使用されます。
ある時点でオブジェクトが「ファントム到達可能」であるとガベージ・コレクタが判断したとします。
その時点で、そのオブジェクトへのすべてのファントム参照と、そのオブジェクトに到達可能な他のファントム到達可能オブジェクトへのすべてのファントム参照を原子的にクリアします。
同時に、または後で、参照キューに登録されたそれらの新たにクリアされたファントム参照をエンキューします。
再生可能なオブジェクトをそのままにしておくために、ファントム参照のリファレントを取り出すことはできません。ファントム参照のgetメソッドは、常にnullを返します。
コンストラクタは引数を二つ取るものが一つだけあります。
public PhantomReference(T referent, ReferenceQueue<? super T> q)
指定されたオブジェクトを参照し、指定されたキューに登録されている新しいファントム参照を作成します。
nullキューでファントム・リファレンスを作成することは可能ですが、そのようなリファレンスはまったく役に立たない: そのgetメソッドは常にnullを返し、キューを持たないのでエンキューされません。
パラメータ:referent – 新しいファントム参照が参照するオブジェクト
q – 参照が登録されるキュー。登録が必要ない場合はnull
メソッドは一つだけあります。
public T get()
参照オブジェクトのリファレントを返します。
ファントム参照のリファレントは常にアクセス不可能なため、このメソッドは常にnullを返します。
戻り値:null
これで PhantomReference を使うための API をみてみました。
と、思いきや JDK 9 から java.lang.Object protected void finalize() throws Throwable が Deprecated になってしまいました。
代わりにモジュール java.base の java.lang.Object java.lang.ref.Cleaner クラスを使うことが推奨されているのでこちらもざっくりとみてみます。
クラスCleaner
Cleanerは、一連のオブジェクト参照と対応するクリーニング・アクションを管理します。
クリーナは、オブジェクトが有線で到達可能になったことがクリーナに通知された後で実行するために、クリーニング動作はregisteredです。
クリーナは、PhantomReferenceとReferenceQueueを使用して、reachabilityが変更されたときに通知を受け取ります。
各クリーナは、独立して動作し、保留中のクリーニング動作を管理し、クリーナがすでに使用されていないときにスレッドおよび終了を処理します。
オブジェクト参照と対応するクリーニング・アクションを登録すると、Cleanableが返されます。 最も効率的な使用法は、オブジェクトが閉じられたり不要になったときに、cleanメソッドを明示的に呼び出すことです。
クリーニング・アクションは、すでに明示的にクリーニングされていない限り、オブジェクトがファントム到達可能になったときに呼び出されるRunnableです。
クリーニング動作は、登録されているオブジェクトを参照してはならないことに注意してください。 そうであれば、オブジェクトは想像を絶するものにならず、クリーニング動作は自動的に呼び出されません。
クリーニング・アクションの実行は、クリーナに関連するスレッドによって実行されます。
クリーニング・アクションによってスローされたすべての例外は無視されます。
クリーナおよびその他のクリーニング・アクションは、クリーニング・アクションの例外の影響を受けません。
スレッドは、登録されているすべてのクリーニング処理が完了し、クリーナ自体がガベージ・コレクタによって再利用されるまで実行されます。
System.exit中のクリーナの動作は実装固有です。 クリーニング動作の呼び出しの有無は保証されていません。
ほかで指定がない場合、null引数をコンストラクタまたはこのクラスのメソッドへ渡すと、NullPointerExceptionがスローされます。
ネストされたクラスが一つあります。
public static interface Cleaner.Cleanable
Cleanableは、Cleanerに登録されているオブジェクトとクリーニング・アクションを表します。
ネストされたクラスにメソッドが一つだけあります。
void clean()
クリーニング可能なものの登録を解除し、クリーニング動作を呼び出します。 クリーニング可能なクリーニング動作は、cleanの呼び出し回数に関係なく、最大で1回呼び出されます。
Cleaner クラスにはメソッドが3個あります。
public static Cleaner create()
新しいCleanerを返します。
クリーナは、ファントム到達可能オブジェクトを処理し、クリーニング・アクションを呼び出すdaemon threadを作成します。
スレッドの「コンテキスト・クラス・ローダー」はsystem class loaderに設定されます。
スレッドはパーミッションを持たず、SecurityManager is setの場合にのみ実行されます。
ファントムに到達し、登録されたすべてのクリーニング動作が完了すると、クリーナは終了します。
戻り値:新しいCleaner
例外:SecurityException – 現在のスレッドがスレッドの作成または開始を許可されていない場合。
public static Cleaner create(ThreadFactory threadFactory)
ThreadFactoryからThreadを使用して新しいCleanerを返します。
スレッド・ファクトリのnewThreadメソッドからのスレッドはdaemon threadに設定され、ファントム到達可能オブジェクトを処理し、クリーン・アクションを起動します。
各呼び出しで、thread factoryは、クリーニング・アクションを実行するのに適したスレッドを提供する必要があります。
ファントムに到達し、登録されたすべてのクリーニング動作が完了すると、クリーナは終了します。
パラメータ:threadFactory – 新しいThreadを返してクリーニング・アクションを処理するThreadFactory
戻り値:新しいCleaner例外:IllegalThreadStateException – スレッド・ファクトリからのスレッドがnot a new threadの場合。
SecurityException – 現在のスレッドがスレッドの作成または開始を許可されていない場合。
public Cleaner.Cleanable register(Object obj, Runnable action)
オブジェクトにファントム到達可能になったときに実行するオブジェクトとクリーニング・アクションを登録します。
クリーニング動作の動作については、上記の「APIノート」を参照してください。
パラメータ:obj – 監視するオブジェクト
action – オブジェクトがファントム到達可能になったときに呼び出すRunnable
戻り値:Cleanableインスタンス
これで今度こそ PhantomReference を使う為の必要最小限の情報をざっくりと API ドキュメントから学んだ。
簡単に PhantomReference ってけっきょくどうなの?ってのを考えてみると
ファントム到達可能オブジェクトを ReferenceQueue に入れる。
注意:) ファントム到達可能オブジェクトの ReferenceQueue への挿入はガーベジ・コレクトと非同期で行われます。よって GC が働いてすぐに挿入されると考えてはいけないようです。
Reference<T> クラスの三つあるメソッド poll()、remove()、remove(long timeout) の何れかによって ReferenceQueue に入れられたオブジェクトを取り出してクリーンアップする。
これとは別に finalize() か Cleaner クラスを使ってクリーンアップする方法もあります。
クリーンアップの際はリソースの解放処理が必要であれば必ず実行するようにしておくのが無難かもしれない。
正しく理解できているかは怪しいけどプログラムを組んでみることにする。
とりあえず、前回、前々回に組んだ SoftReference と WeakReference の PhantomReference バージョンとしてみよう。
まず、JDK 1.8 対応のものから組んで、最新の JDK 11 で使える Cleaner クラスを使ったものに変更してみる。
そんなこんなで次のようなプログラムを組んでみました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 |
package jp.yucchi.phantomexterminationclassic; import java.lang.management.GarbageCollectorMXBean; import java.lang.management.ManagementFactory; import java.lang.management.MemoryMXBean; import java.lang.management.MemoryUsage; import java.lang.ref.PhantomReference; import java.lang.ref.Reference; import java.lang.ref.ReferenceQueue; import java.util.ArrayList; import java.util.List; /** * * @author Yucchi */ public class PhantomExterminationClassic { private static final ReferenceQueue<MemoryConsumer> REFEREN_CEQUEU = new ReferenceQueue<>(); public static void main(String[] args) { System.out.println(System.getProperty("os.name") + " " + System.getProperty("os.version") + " " + System.getProperty("os.arch")); System.out.println("JDK " + System.getProperty("java.version") + System.lineSeparator()); List<PhantomReference<MemoryConsumer>> list = new ArrayList<>(); for (int i = 0; i < 1_000; i++) { MemoryConsumer memoryConsumer = new MemoryConsumer(); PhantomReference<MemoryConsumer> phantomReference = new PhantomReference<>(memoryConsumer, REFEREN_CEQUEU); list.add(phantomReference); checkStatus(); } } private static void checkStatus() { MemoryMXBean memoryBean = ManagementFactory.getMemoryMXBean(); MemoryUsage usage = memoryBean.getHeapMemoryUsage(); long usedMemory = usage.getUsed(); List<GarbageCollectorMXBean> gcMXBeans = ManagementFactory.getGarbageCollectorMXBeans(); StringBuilder gcStatus = new StringBuilder(); gcMXBeans.forEach(e -> { gcStatus .append(e.getName()) .append(" ") .append("GC Count: ") .append(e.getCollectionCount()) .append(" ") .append("GCTime = ") .append(e.getCollectionTime()) .append(" "); }); System.out.print("UsedMemory: " + usedMemory + " "); System.out.println(gcStatus); // Reference<?> ref; // while ((ref = REFEREN_CEQUEU.poll()) != null) { // System.out.println(" --- POLL:" + ref + " ---"); // if (Double.parseDouble(System.getProperty("java.specification.version")) < 1.9) { // ref.clear(); // } // } } private static class MemoryConsumer { private byte[] buff; MemoryConsumer() { this.buff = new byte[100 * 1024 * 1024]; } @Override protected void finalize() { System.out.println(" --- finalize ---"); this.buff = null; } } } |
このプログラムは finalize() メソッドをオーバーライドして利用しています。
finalize() メソッド内で this.buff = null; として OutOfMemoryError を回避しています。(このようなことは JDK 11 では必要ではありませんでした。)
Reference<T> クラスの poll() メソッドはコメントアウトして実行できないようにしてあります。
ちなみに finalize() メソッドも使わなければ OutOfMemoryError でプログラムは途中で止まってしまいます。
プログラムの実行結果は次のようになります。
Windows 10 10.0 amd64
JDK 1.8.0_144
UsedMemory: 115595064 PS Scavenge GC Count: 0 GCTime = 0 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 241927592 PS Scavenge GC Count: 0 GCTime = 0 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
— finalize —
— finalize —
UsedMemory: 321118712 PS Scavenge GC Count: 1 GCTime = 128 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 430987664 PS Scavenge GC Count: 1 GCTime = 128 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
— finalize —
— finalize —
UsedMemory: 525473600 PS Scavenge GC Count: 2 GCTime = 257 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
略
UsedMemory: 6299540808 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30760 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6659
UsedMemory: 6404398424 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30760 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6659
UsedMemory: 6509256040 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30760 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6659
UsedMemory: 6614113656 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30760 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6659
57秒ほどで終了しました。
ちょっと遅いですね。
NetBeans のプロファイラで確認してみます。
JDK 1.8 の標準のガーベジ・コレクタってこんなものなのか?
それでは先ほどのプログラムを Reference<T> クラスの poll() メソッドを使うように変更した実行結果は次のようになりました。
Windows 10 10.0 amd64
JDK 1.8.0_144
UsedMemory: 115595064 PS Scavenge GC Count: 0 GCTime = 0 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 241927592 PS Scavenge GC Count: 0 GCTime = 0 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 315733616 PS Scavenge GC Count: 1 GCTime = 129 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@548c4f57 —
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@1218025c —
UsedMemory: 425602568 PS Scavenge GC Count: 1 GCTime = 129 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 525440640 PS Scavenge GC Count: 2 GCTime = 260 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@816f27d —
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@87aac27 —
UsedMemory: 640519896 PS Scavenge GC Count: 2 GCTime = 260 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 745377512 PS Scavenge GC Count: 2 GCTime = 260 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 850235128 PS Scavenge GC Count: 2 GCTime = 260 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 955092744 PS Scavenge GC Count: 2 GCTime = 260 PS MarkSweep GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 629860128 PS Scavenge GC Count: 3 GCTime = 569 PS MarkSweep GC Count: 1 GCTime = 43
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@3e3abc88 —
略
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@cb644e —
UsedMemory: 5880074344 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 5984931960 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6089789576 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6194647192 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6299504808 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6404362424 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6509220040 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6614077656 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6718935272 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
UsedMemory: 6823792888 PS Scavenge GC Count: 26 GCTime = 30258 PS MarkSweep GC Count: 24 GCTime = 6566
56秒で終了しました。
finalize() メソッドを使ったのとほぼ同じですね。
ちなみに64行目の ref.clear() メソッドを実行して参照オブジェクトをクリアしないと OutOfMemoryError でプログラムは途中で止まってしまいます。
JDK 11 では clear() メソッドで参照オブジェクトをクリアしなくてもOutOfMemoryError でプログラムで止まることはありません。
いちおう NetBeans のプロファイラで確認します。
大きな違いはなさそうです。
それでは JDK 11 に切り替えて finalize() メソッド を利用したプログラムを実行してみます。
JDK 1.8 との比較のためにあえて finalize() メソッド を使ってます。あとで Cleaner クラスを使ったものも試してみます。
プログラムの実行結果は次のようになりました。
Windows 10 10.0 amd64
JDK 11.0.1
UsedMemory: 113246208 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 222298112 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 331350016 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 440401920 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
— finalize —
— finalize —
— finalize —
— finalize —
UsedMemory: 546494784 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 655546688 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
— finalize —
— finalize —
UsedMemory: 328435288 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 7 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 437487192 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 7 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
略
— finalize —
— finalize —
— finalize —
UsedMemory: 2073652944 G1 Young Generation GC Count: 106 GCTime = 244 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 2182704848 G1 Young Generation GC Count: 106 GCTime = 244 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 2291756752 G1 Young Generation GC Count: 106 GCTime = 244 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
15秒で終了しました。
JDK 11 のガーベジ・コレクタ優秀ですね。
確か JDK 9 から G1GC が標準になったはず。
これも NetBeans のプロファイラで覗いてみます。
この違いを目の当たりにすると JDK 1.8 はもう使えない。(^_^;)
では、Reference<T> クラスの poll() メソッドを使うように変更して実行してみます。
プログラムの実行結果は次のようになります。
Windows 10 10.0 amd64
JDK 11.0.1
UsedMemory: 113246208 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 222298112 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 331350016 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 440401920 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 110281288 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@d8355a8 —
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@5e5792a0 —
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@26653222 —
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@3532ec19 —
UsedMemory: 219333192 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 328385096 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 437437000 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 110345216 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 7 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@68c4039c —
略
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@5db250b4 —
— POLL:java.lang.ref.PhantomReference@223f3642 —
UsedMemory: 219733600 G1 Young Generation GC Count: 99 GCTime = 208 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
これも15秒で終了しました。
NetBeans のプロファイラで覗いてみます。
こちらのほうが僅かだけど良いかもしれない。
JDK 1.8 と JDK 11 の違いはガーベジ・コレクタが変更されたくらいだと思うのですけど他にも何か変更があるのかもしれません。
ちょっと気になるので JDK 1.8 と JDK 11 のスレッドを確認してみます。
両方とも Reference<T> クラスの poll() メソッドを使用した場合です。
まず、JDK 1.8 から
次は JDK 11です。
JDK 11 のほうに Common-Cleaner という見慣れないスレッドがありますね。
これがパフォーマンスアップの要因の一つなのかな。
GC 関連のことはあまり気にしたことないのでよく解りません。(>_<。)
名前からして勝手にクリーンアップしてくれそうなので finalize() メソッド、Reference<T> クラスの poll() メソッド両方ともコメントアウトして無効にして実行してみました。
OutOfMemoryError でプログラムが止まりまし・・・ あれっ! 止まらない。
プログラムは15秒で終了しました。
Windows 10 10.0 amd64
JDK 11.0.1
UsedMemory: 113246208 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 222298112 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 331350016 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 440401920 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 110281920 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 219333824 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 328385728 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 437437632 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 110325528 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 6 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
略
UsedMemory: 1092084152 G1 Young Generation GC Count: 98 GCTime = 200 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1201136056 G1 Young Generation GC Count: 98 GCTime = 200 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 110617168 G1 Young Generation GC Count: 99 GCTime = 202 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 219669072 G1 Young Generation GC Count: 99 GCTime = 202 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
BUILD SUCCESSFUL (total time: 15 seconds)
いったいどういうことなんだ?
クリーンアップの際にリソースの解放処理が必要で無いのなら何もしなくてもいいのか?
JDK 1.8 で Reference<T> クラスの poll() メソッドを使う場合は clear() メソッドで参照オブジェクトをクリアして次の GC で解放されるという最低でも GC が二回必要だったのに・・・
ガーベジ・コレクタ凄く賢くなっている。(私が PhantomReference の使い方を間違ってるかもしれない)
このあたりのことを調べ出すとガーベジ・コレクタ沼にはまって苦しむことになるので誰か親切な人が詳しく解りやすい解説記事をネット上にアップしてくれるのを待つことにする。
それでは最後に Cleaner クラス を使ってみます。
この Cleaner クラスもファイナライザ同様にあまり使うのを好ましく思われていません。
詳細は「Effective Java 第3版」の第2章 オブジェクトの生成と消滅 項目 8 ファイナライザとクリーナーを避ける をご覧ください。
それでは Cleaner クラスを使ってみます。
これまでのプログラムを JDK 10 以降の新しいものを使うことを前提にして組み直しました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 |
package jp.yucchi.phantomextermination; import java.lang.management.ManagementFactory; import java.lang.ref.Cleaner; import java.lang.ref.PhantomReference; import java.lang.ref.Reference; import java.lang.ref.ReferenceQueue; import java.util.ArrayList; import java.util.List; /** * * @author Yucchi */ public class PhantomExtermination { private static final ReferenceQueue<MemoryConsumer> REFEREN_CEQUEU = new ReferenceQueue<>(); public static void main(String[] args) { System.out.println(System.getProperty("os.name") + " " + System.getProperty("os.version") + " " + System.getProperty("os.arch")); System.out.println("JDK " + System.getProperty("java.version") + System.lineSeparator()); List<PhantomReference<MemoryConsumer>> list = new ArrayList<>(); for (int i = 0; i < 1_000; i++) { var memoryConsumer = new MemoryConsumer(); var cleaner = Cleaner.create(); cleaner.register(memoryConsumer, new CleanerRunnable(memoryConsumer.buff, i)); var phantomReference = new PhantomReference<>(memoryConsumer, REFEREN_CEQUEU); list.add(phantomReference); checkStatus(); } } private static void checkStatus() { var memoryBean = ManagementFactory.getMemoryMXBean(); var usage = memoryBean.getHeapMemoryUsage(); var usedMemory = usage.getUsed(); var gcMXBeans = ManagementFactory.getGarbageCollectorMXBeans(); var gcStatus = new StringBuilder(); gcMXBeans.forEach(e -> { gcStatus .append(e.getName()) .append(" ") .append("GC Count: ") .append(e.getCollectionCount()) .append(" ") .append("GCTime = ") .append(e.getCollectionTime()) .append(" "); }); System.out.print("UsedMemory: " + usedMemory + " "); System.out.println(gcStatus); // Reference<?> ref; // while ((ref = REFEREN_CEQUEU.poll()) != null) { // System.out.println(" --- POLL:" + ref + " ---"); // } } private static class CleanerRunnable implements Runnable { private int ObjectNumber; private byte[] buff; CleanerRunnable(int ObjectNumber) { } private CleanerRunnable(byte[] buff, int ObjectNumber) { this.ObjectNumber = ObjectNumber; this.buff = buff; } @Override public void run() { System.out.println("Cleaning: " + ObjectNumber++); buff = null; } } private static class MemoryConsumer { private final byte[] buff; MemoryConsumer() { this.buff = new byte[100 * 1024 * 1024]; } } <font face="メイリオ"></font> } |
30行目で Cleaner を生成、31行目でファントム到達可能になったときに実行するオブジェクトとクリーニング・アクションを登録します。
var cleaner = Cleaner.create();
cleaner.register(memoryConsumer, new CleanerRunnable(memoryConsumer.buff, i));
クリーニング・アクションの登録でnew CleanerRunnable(memoryConsumer.buff, i) と無駄なことをしています。
これはお遊びですので引数無しでクリーニング・アクションの run() メソッド内のゴニョゴニョしたコードは無くて空でも問題無いです。
84行目の buff = null; もあっても無くてもほぼ変わりはありません。(少しは変わるかもと思って試しただけです)
たったこれだけです!非常に便利です。
これでファイナライザ攻撃の心配はなくなります。
プログラムの実行結果は次のようになります。
Windows 10 10.0 amd64
JDK 11.0.1
UsedMemory: 113246208 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 222298112 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 331350016 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 440401920 G1 Young Generation GC Count: 0 GCTime = 0 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 554883024 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 663934928 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 772986832 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 882038736 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 991090640 G1 Young Generation GC Count: 1 GCTime = 3 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1096034664 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 5 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1205086568 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 5 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1314138472 G1 Young Generation GC Count: 2 GCTime = 5 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1419045944 G1 Young Generation GC Count: 3 GCTime = 8 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1532292152 G1 Young Generation GC Count: 3 GCTime = 8 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
Cleaning: 6
Cleaning: 1
Cleaning: 5
Cleaning: 3
Cleaning: 7
Cleaning: 0
Cleaning: 2
Cleaning: 4
Cleaning: 9
UsedMemory: 1645538360 G1 Young Generation GC Count: 3 GCTime = 8 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
Cleaning: 11
Cleaning: 10
Cleaning: 8
UsedMemory: 1754590264 G1 Young Generation GC Count: 3 GCTime = 8 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 1863642168 G1 Young Generation GC Count: 3 GCTime = 8 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
Cleaning: 16
Cleaning: 15
Cleaning: 13
Cleaning: 14
Cleaning: 12
UsedMemory: 655688552 G1 Young Generation GC Count: 4 GCTime = 12 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 764740456 G1 Young Generation GC Count: 4 GCTime = 12 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 873792360 G1 Young Generation GC Count: 4 GCTime = 12 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
Cleaning: 19
Cleaning: 17
Cleaning: 18
UsedMemory: 437556936 G1 Young Generation GC Count: 5 GCTime = 15 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 546608840 G1 Young Generation GC Count: 5 GCTime = 15 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 655660744 G1 Young Generation GC Count: 5 GCTime = 15 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 764712648 G1 Young Generation GC Count: 5 GCTime = 15 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 873764552 G1 Young Generation GC Count: 5 GCTime = 15 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
Cleaning: 20
Cleaning: 21
Cleaning: 24
略
UsedMemory: 1314754576 G1 Young Generation GC Count: 170 GCTime = 285 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
Cleaning: 993
Cleaning: 992
Cleaning: 997
Cleaning: 995
Cleaning: 996
Cleaning: 991
Cleaning: 994
UsedMemory: 882748320 G1 Young Generation GC Count: 171 GCTime = 287 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
UsedMemory: 991800224 G1 Young Generation GC Count: 171 GCTime = 287 G1 Old Generation GC Count: 0 GCTime = 0
16秒で終了しました。
Cleaner クラス使うと便利ですね。
ファントム到達可能になったときに実行するオブジェクトとクリーニング・アクションを登録するだけだし、それにクリーニング・アクション用の専用スレッドが起動される。
ファイナライザを使って何かしようとすると自前でスレッドを用意したりしなくちゃいけない場合がある。
ファイナライザ攻撃によるセキュリティ上の問題も無い。
もう、ファイナライザを使う必要は無いような気がする。
どのみち近い将来使えなくなるしね。
パッケージ java.lang.ref を良く解らないままいろいろやってみたけど PhantomReference って扱いが難しいですね。
そもそもファントム到達オブジェクトって強参照、ソフト参照、弱参照のどれから辿っても到達できなくなってファイナライザ呼び出しが完了した状態ってところで使いどころが限定されそうな気がする。
ReferenceQueue に入れられた PhantomReference の get() メソッドは null を常時返すようになっている。
つまり、これって GC 対象ってことですよね。
だめだ、頭痛が痛くなりそうだ。(まさに今こんな感じです。)
PhantomReference ってただのクリーンアップ用にしか思えなくなってきた。(^_^;)
しかも、JDK 1.8 の頃のほうが不思議な動作をせず理解しやすいけど JDK 11 との違いは大きすぎる。
パフォーマンスアップや使い勝手が良くなるのはいいけど解りやすい情報が乏しいのはなんとかしてほしい。
今日でお正月休みも終わってしまうけどもっと Java を楽しめる一年になるようにがんばるぞい!
Comment-
jgsakuusays:
2019年5月20日 11:24 AM
Спасибо за информацию!!!!!
Trackback URL